
「SNSを利用する際のKPIについて知りたい」
「KPIを設定して堅実に運用したい」
「KPIの分析方法とは?」
今回は、SNS運用におけるKPIについて徹底解説します。
KPIを設定しないとSNSをうまく運用できているか判断できないため、間違った運用をしていた場合、時間を無駄にしかねません。
そのためKPIについて理解し、適切な設定を施すことが大切です。
本記事の内容は、以下のとおりです。
・SNS運用でKPIを設定するメリット
・SNS媒体ごとに設定すべきKPI
・SNSにおけるKPIの測定・分析方法
KPIの測定方法や対策までわかるため、ご覧ください。

SNS運用におけるKGI・KPIとは
SNSではKGI(最終目標)やKPI(途中目標)を設定することが大切です。
目標を設定することで「SNSマーケティングがうまくいっているのか」を数値で可視化でき、データに基づいた運用ができます。
KGIとKPIの詳細な違いは、以下のとおりです。
項目 | KGI | KPI |
---|---|---|
英語表記 | Key Goal Indicator | Key Performance Indicator |
意味 | ・重要目標達成指標 (最終目標) ・SNS運用で最終的に達成したい目標 |
・重要業績評価指標 (中間・途中目標) ・KGIを成し遂げるために 達成しなければいけない途中目標 |
具体例 | ・2030年までに1億円の利益を出す ・1年後までに毎月10件の契約を獲得する |
・今年中に新規顧客を100社獲得する ・毎月100件のアポイントを獲得する |
KGIに基づいて適切なKPIを設定すれば、堅実なSNS運用が期待できます。
SNS運用でKPIを設定するメリット
SNSでKPIを設定する代表的なメリットは、以下のとおりです。
・PDCAサイクルを回しやすい
・モチベーションが向上する
・運用状況を数値で客観視できる
・改善スピードが向上する
PDCAとは「Plan(計画)、Do(行動)、Check(分析)、Action(改善)」を繰り返すことで、業務品質の継続的な改善につながります。
KPIを設定し数値を分析できれば、運用状況を数字で客観視できます。
例えば運用してから3ヶ月後のフォロワー数が、途中目標として設定したKPIより低ければ、フォロワー獲得のための施策を改善しなければいけません。
また、KPIにより1週間後・1ヶ月後などの目標が設定されているため、モチベーションが維持しやすいです。
KPIを設定すれば効率的な運用ができ、スムーズな改善につながるでしょう。
SNS媒体ごとに設定すべきKPI
SNSツールごとの設定すべきKPIを解説します。
・TikTok
・YouTube
・LINE
それぞれ解説するため、KPIを立てる際の参考にしてみてください。
1.X
Xで設定すべきKPIは、以下のとおりです。
目標 | KPI |
---|---|
認知度拡大 | ・インプレッション数 (ユーザーに投稿が表示された回数) ・フォロワー数 |
ファン化 | ・エンゲージメント数 ・エンゲージメント率 ・プロフィールアクセス数 ・コメント数 ・ハッシュタグ投稿数 |
自社サイトへの流入数増加 | ・サイト訪問数 ・リンククリック率 ・直帰率 |
成約率向上 | ・リンククリック数 ・購入件数 ・コンバージョン率 |
Xは、リポスト機能や匿名で利用できる点から他のSNSと比べて拡散性が高いです。
リポストや返信などのエンゲージメント数をKPIとして設定すると、詳細なデータを取りやすくなります。
また、話題のなりやすさからエンゲージメントに関するKPIを設定して運用すると、目標を上回る可能性も高まります。
リポストやいいねなどのエンゲージメントを中心にKPIを設定してみましょう。
2.Instagram
Instagramで設定すべき代表的なKPIは、以下のとおりです。
目標 | KPI |
---|---|
認知度拡大 | ・インプレッション数 (ユーザーに投稿が表示された回数) ・フォロワー数 ・リーチ数(投稿に訪れたユーザーの数) ・コンテンツ数 |
ファン化 | ・ストーリー閲覧数 ・保存数(後で見返せるように保存した数) ・エンゲージメント数 ・エンゲージメント率 ・プロフィールアクセス数 ・コメント数 ・ハッシュタグ投稿数 |
自社サイトへの流入数増加 | ・サイト訪問数 ・リンククリック率 ・直帰率 |
成約率向上 | ・リンククリック数 ・購入件数 ・コンバージョン率 |
Instagramにおいて保存数が多い投稿はアルゴリズムから評価されやすく、おすすめに表示されやすくなります。
そのため、フォロワー以外のユーザーにも投稿が見られるようになるでしょう。
また、リーチ数やエンゲージメント数もKPIとしての詳細なデータを取れるためおすすめです。
3.TikTok
TikTokで設定すべきKPI項目を紹介します。
目標 | KPI |
---|---|
認知度拡大 | ・インプレッション数 ・リーチ数 ・再生回数 ・シェア数 ・フォロワー数 |
ファン化 | ・エンゲージメント数 ・エンゲージメント率 ・コメント数 ・投稿からアカウントへの遷移率 ・再生時間 ・視聴維持率 ・視聴完了率 ・商品のハッシュタグ数 ・商品のコメント数 |
自社サイトへの流入数増加 | サイト訪問数 ・リンククリック率 ・直帰率 |
成約率向上 | ・リンククリック数 ・購入件数 ・コンバージョン率 |
TikTokのKPIを決める際は「バズるためのKPI」と「売れるためのKPI」を設定するのがおすすめです。
TikTokはフォロワー数に関係なく、投稿の質に応じてバズる傾向があるため、再生時間や視聴完了率・シェア数などが高ければ投稿が表示されやすくなります。
また、商品のハッシュタグ数やコメント数が高ければ、成約率が向上しやすくなるでしょう。
目的に応じて適切なKPIを設定してみてください。
4.YouTube
YouTubeを運用する際の意識すべきKPIは、以下のとおりです。
目標 | KPI |
---|---|
認知度拡大 | ・インプレッション数 ・視聴回数 ・関連動画からの流入数 |
ファン化 | ・チャンネル登録者数 ・コメント数 ・高評価数 ・ユニーク視聴者数 (実際にYouTubeを閲覧した個人の数) |
自社サイトへの流入数増加 | ・サイト訪問数 ・リンククリック率 ・直帰率 |
成約率向上 | ・平均再生時間 ・視聴維持率 ・LPページのクリック数 ・LPページのクリック率 |
ユニーク視聴者数とは実際にYouTubeを閲覧した人の数を表し、同じユーザーが動画を10回視聴しても、ユニーク視聴者数は1になります。
ユニーク視聴者数を把握すれば、YouTube運用がうまくいっているか確認しやすくなるでしょう。
また、関連動画からの流入数も視聴回数に大きく関わるため、KPIの設定としておすすめです。
5.LINE
LINEを運用する際に、設定すべきKPIは以下のとおりです。
目標 | KPI |
---|---|
ファン化 | ・友だち追加数 ・開封率(アカウントからのメッセージがどれだけのユーザーに開封されたか) ・メッセージ配信数 ・クリック率 |
自社サイトへの流入数増加 | ・サイト訪問数 ・リンククリック率 ・直帰率 |
成約率向上 | ・リンククリック数 ・購入件数 ・コンバージョン率 |
特に、友だち追加数・メッセージ配信数・クリック数・購入件数を意識すると成果を上げやすくなります。
期間ごとのKPIを設定して、KGI達成を目指しましょう。
なお、クロクロでは一人ひとりの目標や状況に基づいた適切なKPIを設定できます。
相談自体は無料であるため費用がかかりません。
KPIを設定して堅実に効果を出したい方は、お気軽にお問い合わせください。
SNSにおけるKPIの測定・分析方法
SNS運用におけるKPIの測定・分析方法を解説します。
ツールごとに紹介するため、参考にしてみてください。
1.X
Xは公式が用意したXアナリティクスを利用すれば、手軽に分析できます。
Xで分析すべき指標は、以下のとおりです。
指標 | 目安 |
---|---|
インプレッション数 | フォロワーの2〜3倍 |
フォロワー数 | フォロー数に対して1〜5割 |
エンゲージメント率 | 0.3〜1.5% |
リンククリック数 | 0.3〜1.5% |
コンバージョン率 | 2〜3% |
Xは拡散性が強みであるため、インプレッション数が高いかが重要です。
フォロワーに対して2倍以下のインプレッション数の場合、魅力的なコンテンツの作成や定期的な投稿を心がけましょう。
トレンド情報や画像を掲載するとアルゴリズムから評価され、インプレッション数が高まります。
2.Instagram
Instagramインサイトを用いれば、インスタ分析が可能です。
指標 | 目安 |
---|---|
インプレッション数 | フォロワーの2〜3倍 |
リーチ数 | フォロワー数の20〜30% |
コンテンツ数 | ・投稿:1〜3日に1回 ・ストーリー:1日1回以上 |
ストーリー閲覧数 | フォロワー数の40〜50%程度 |
保存率 | リーチ数の2〜3% |
エンゲージメント率 | 1〜2% |
サイト訪問数 | フォロワーの1〜5% |
投稿が見られているかが大事であるため、リーチ数の向上が大切です。
フォロワーに対して最低20%以上のリーチ数を確保しましょう。
リーチ数を上げるには投稿頻度を増やしたり、ハッシュタグを積極的に活用したりするのがおすすめです。
3.TikTok
TikTokを分析する際は、TikTokビジネスアカウントを利用してみてください。
指標 | 目安 |
---|---|
再生回数 | 最低500再生以上 |
投稿からアカウントへの遷移率 | 1〜3% |
再生時間 | 最低15秒 |
視聴維持率 | 65%以上(最初の3秒) |
視聴完了率 | 30%以上 |
エンゲージメント率 | 2.5% |
リンククリック数 | 1〜3% |
視聴維持率・視聴完了率などが、上記の目安を超えられるように意識しましょう。
飽きさせないテンポやテキストの記載などが、最後まで観られる対策として有効です。
4.YouTube
YouTubeアナリティクスを利用すれば、YouTube分析が可能です。
指標 | 目安 |
---|---|
視聴回数 | フォロワー×0.5倍以上 |
チャンネル登録者数 | 登録率1%以上 |
高評価数 | 再生回数の1〜2% |
平均再生時間 | 動画尺に対して40%以上 |
視聴維持率 | 40%以上 |
LPページのクリック率 | 0.4〜5% |
登録率とは、動画を視聴した人の中でチャンネル登録した割合のことです。
YouTube上では、平均再生時間や視聴維持率が動画を評価する際に重視されます。
動画を最後まで観られるようにするには、冒頭の30秒で内容を紹介したり、次の展開を予測できる構成にしたりすることが大切です。
それぞれの目安を超えるようにしましょう。
なお、XやYouTubeなどの詳細な分析方法およびその対策は、関連記事「SNS分析のやり方を4つのツールごとに徹底解説!重視すべき指標と改善方法も紹介」で詳しく解説しているため参考にしてみてください。
5.LINE
LINEのビジネスアカウントには分析機能があり、問題なく分析できます。
指標 | 目安 |
---|---|
友だち追加数 | 1投稿で最低数人〜 |
メッセージ配信数 | 月に2〜4回程度 |
開封率 | 60% |
リンククリック数 | 30% |
開封率とは、LINE上で送信したメッセージがユーザーにどれくらい開かれたかを示す割合のことです。
開封率を上げるには、興味を刺激する訴求文・最適な配信時間を選ぶなどの対策が必要です。
それぞれの目安を超えられるように努めましょう。
SNSのKPIに関するよくある質問
SNSにおけるKPIのよくある質問をまとめました。
KPIに関する悩みが解消するため、ご覧ください。
Q1.SNSにおけるKPIとは何?
A.KPIとは「Key Performance Indicator」略で、最終的な目標を達成するための途中目標のことを指します。
例えば、5年以内に7億円の利益を出す目標を立てたとしましょう。
7億円の目標を達成するために、最初の1年で1億円の売上を上げる目標を立てた場合、この1億円の目標がKPIになります。
KPIを設定すれば、過程で達成しなければいけない通過点がわかり、最終目標の達成に着実に近づけます。
Q2.SNSではKPIをどのように設定すればいい?
A.目的に応じて適切なKPIを設定することが大切です。
例えば、SNSで認知度拡大を目的にする場合、インプレッション数やフォロワー数が多ければ自社の存在を効果的に認知できます。
そのため、インプレッション数・フォロワー数に関するKPIを立てると、目標を達成できる可能性が高まります。
一方で、成約率を向上させたい場合、リンククリック数やコンバージョン率のKPIを達成すると、サービスが売れる可能性が高まるためおすすめです。
Q3.SNSではKPIをどのように達成すればいい?
A.指標ごとに達成すべき目安があるため、目標目安を超えるように努めましょう。
例えば、Instagramではフォロワーに対して最低20%のリーチ数を獲得する必要があります。
また、YouTubeでは動画尺に対して40%以上の時間が視聴されないと、よい評価を得られません。
ツールごとのKPIの目安は本記事で詳細に解説しているため、参考にしてみてください。
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KPIを設定すれば段階ごとの運用効果が高まるため、最終目標を達成できる可能性が高まります。
着実に成果を出したい方は、KPIを必ず設定しましょう。
しかし、KPIの設定は専門的なノウハウや体験が必要であるため、簡単ではありません。
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