
「SNSを運用したいけど、何から始めたらいいのかわからない…」
「投稿内容や頻度、どうすれば効果が出るの?」
「そもそも自分に合うSNSがわからなくて困っている」
このような悩みを抱えるSNS運用初心者の方は多いのではないでしょうか?
SNSは今や個人でもビジネスでも欠かせないツールですが、闇雲に始めても成果につながらず、時間だけが無駄になってしまうことも少なくありません。
しかし、正しい知識と手順さえ身につければ、初心者でも効果的なSNS運用は十分可能です。
本記事では、SNS運用の基本から各プラットフォームの特徴、具体的な運用手順まで、初心者の方でもすぐに実践できる内容をわかりやすく解説します。
・SNS運用のメリット・デメリット
・各SNSの特徴
・具体的な運用手順
・SNS運用でうまく行くコツ

SNS運用とは
SNS運用とはプラットフォームを活用して、ブランド認知度の向上やユーザーとのコミュニケーション強化、販売促進といったマーケティング目標を達成するための活動全般を指します。
ここではSNS運用について詳しく解説していきます。
・SNSマーケティングとの違い
SNS運用の重要性
SNS運用はマーケティング戦略において不可欠です。
なぜなら、国内におけるSNSは普及率が高いからです。
画像出典:総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」
2024年に総務省が発表した「令和5年通信利用動向調査」によると、全世代でのSNS利用率は約80%に達しており、SNSを利用していない人の方が少数派となっています。
特に若年層の利用率は約90%と非常に高く、高齢者層でもここ数年でSNS利用率が大幅に増加中です。
企業がSNSを効果的に活用することで、より多くの潜在顧客に商品やサービスを知ってもらい、購入につなげるきっかけを作ることができます。
さらに、SNS利用者の約64.1%が情報収集を目的にSNSを利用していることからも、企業の情報発信の場としてSNSが重要な役割を果たしていることがわかります。
また、SNSの特徴である「いいね」や「リツイート」などの機能を通じて、話題性のあるプロモーションがさらに大きな反響を得られる点も重要です。
これにより、従来の一方向の広告とは異なり、ユーザー同士の口コミによる拡散効果が期待できます。
さらに、SNSを通じてまだ自社の商品やサービスを利用したことのないユーザーともコミュニケーションを取ることができ、企業のファンや見込み客を増やす可能性も広がります。
SNSマーケティングとの違い
SNS運用はマーケティングの一部であり、SNSマーケティング全体の中の手法のひとつとして位置づけられます。
SNSマーケティングには、SNS運用以外にも複数の手法が含まれています。
具体的には、SNSアカウント運用(SNS運用)、SNS広告運用、インフルエンサーマーケティング、ソーシャルリスニング、SNSキャンペーンという5つの主要な手法があります。
SNS運用はこの中の一つの要素であり、主に自社アカウントでの情報発信や顧客とのコミュニケーションに焦点を当てています。
一方、SNS広告運用は有料広告を使って特定のターゲットにリーチする活動、インフルエンサーマーケティングは影響力のある個人を通じて商品やサービスをPRする手法、ソーシャルリスニングはSNS上の情報を分析してビジネス戦略に活かす取り組み、SNSキャンペーンはフォローや投稿拡散を促進するための企画を指します。
SNS運用とSNSマーケティングの違いを理解することで、企業のSNS活用戦略をより効果的に立てることができます。
SNS運用だけでなく、SNSマーケティング全体の視点から戦略を考えることで、より多角的なアプローチが可能になり、ビジネス目標の達成につながるでしょう。
SNS運用は初心者でもできる?
SNSアカウントの作成や初期設定自体は、手順に沿って進めれば、初心者の方でも比較的簡単に行うことができます。
一方でSNSを通じてブランドの認知度を高めたり、顧客との良好な関係を築いたりといった成果を出すためには、単にアカウントを操作するだけでなく、専門的なスキルが必要です。
SNS運用に必要なスキルは、書籍を読んだり、SNS運用を専門とするスクールで学んだりすることで身につけることができます。
ただし、独学であれスクールであれ、スキルの習得には一定の時間と、教材費や受講料といった最低限の費用が必要になる点を理解しておく必要があるでしょう。
無料で学べる情報もありますが、より実践的なスキルや深い知識を得るには限界があるかもしれません。
もし、学習に時間をかける余裕があまりない、あるいは、できるだけ早く成果を出したいという場合には、スキル習得を進めつつ、初期の運用をSNS運用の専門家や代行会社に委託するという選択肢も有効です。
プロに依頼すれば、その豊富な経験やノウハウに基づいた効果的な運用が期待でき、比較的短期間で成果につながりやすいです。
また、不適切な投稿による炎上リスクを軽減できたり、社内の担当者がSNS運用にかける時間を他のコア業務に充てられたりするメリットもあります。
SNS運用のメリット・デメリット
SNS運用には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
ここでは具体的なメリット・デメリットを紹介していくので、参考にしてください。
2.SNS運用のデメリット
1.SNS運用のメリット
企業がSNS運用に取り組むことには、多くのメリットがあります。
まず、他のマーケティング手法と比較して、初期費用や運用コストを低く抑えながら始められる点が挙げられます。
無料でアカウントを開設し、情報を発信できるため、特に予算が限られている中小企業にとっては大きな魅力です。
また、SNSの持つ拡散力を利用して、ブランドや商品の認知度を効率的に高めることが可能。ユーザーによるシェアやリポストを通じて、情報は瞬時に広範囲へ届けられます。
さらに、ユーザーと直接コミュニケーションを取れる点も大きなメリットです。
コメントやメッセージを通じて顧客の意見を直接聞いたり、質問に答えたりすることで、顧客満足度の向上やファン育成につなげることができます。
2.SNS運用のデメリット
デメリットのひとつは、成果が出るまでに時間がかかることです。
アカウントを開設してすぐにフォロワーが増えたり、売上が伸びたりするわけではなく、効果を実感できるようになるまでには、一般的に最低でも3ヶ月以上の継続的な運用が必要とされています。
また「炎上」のリスクが伴うことも無視できません。
不適切な投稿やユーザー対応が原因で批判が殺到し、ブランドイメージを大きく損なう可能性があります。
炎上を防ぐためには、投稿内容の慎重なチェック体制や、万が一炎上した場合の対応マニュアルなどを事前に準備しておきましょう。
さらに、質の高いコンテンツ(特に画像や動画)を継続的に作成・投稿するための人員や時間、スキルが必要になる点もデメリットと言えるでしょう。
各SNSの特徴
SNSは目的や特性によって大きく異なるため、ビジネス戦略を立てる際には各プラットフォームの特徴を理解しましょう。
各SNSプラットフォームには固有の特徴があり、ユーザー層や機能、コンテンツ形式などに違いがあります。
SNS名 | 主要ユーザー層 | 主なコンテンツ形式 | 特徴・強み | 月間アクティブユーザー数 |
---|---|---|---|---|
YouTube | 幅広い年齢層 特に高学歴層の利用率が高い |
動画 ショート動画 |
動画プラットフォーム | 25億人以上 |
若年層〜中年層 女性ユーザーが多い |
写真、Reels、ストーリーズ | ビジュアル重視 | 非公開 | |
X(旧Twitter) | 幅広い年齢層 | テキスト、画像、動画 | リアルタイム性が高い 2025年はビデオコンテンツに注力 |
6億人 |
LINE | 日本国内の全年齢層 女性ユーザーが53.3% |
メッセージ、スタンプ タイムライン投稿 |
日本最大のメッセージアプリ 公式アカウント、決済機能も充実 |
日本国内で9700万人 |
TikTok | 18-24歳:30.7% 25-34歳:35.3% |
ショート動画 | アルゴリズムによる高い拡散力 | 非公開 |
30代以上の年齢層 | テキスト、画像、動画 ライブ配信 |
コミュニティ機能が充実 | 非公開 |
各SNSの特徴を理解し、自社のターゲット層や発信したいコンテンツの種類に合わせて最適なプラットフォームを選択しましょう。
たとえば、若年層へのアプローチを重視するならTikTokやInstagram、幅広い年齢層へのリーチを目指すならYouTubeやLINEなどです。
また、複数のSNSを連携させることで、それぞれの強みを活かした総合的なSNS戦略を構築することも効果的です。
SNS運用においては、各プラットフォームの特性を理解した上で、自社の目的やターゲットに合わせた戦略を立てることが成功への鍵となります。
SNSの具体的な運用手順
SNS運用を成功させるためには、明確な手順に従って進めることが重要です。以下に、SNS運用の基本的な手順を説明します。
2.ペルソナ設定をする
3.SNSの選定
4.運用計画を作成する
5.コンテンツ作成と投稿
1.SNS運用の目的と戦略を設定する
SNS運用の目的と目標を明確に設定することが重要です。
これらはSNS戦略の土台となり、すべての施策の方向性を定める重要な役割を果たします。
具体的なSNS戦略明確は以下の要素が挙げられます。
・目標設定
・ターゲットの理解
・適切なコンテンツ戦略
・定期的なモニタリング
要素を適切に統合することで、企業の目標達成に貢献する効果的なSNS戦略を構築できるでしょう。
SNS戦略については以下の記事
「【徹底解説】SNS戦略のメリット7つ!成功させる手順やコツも紹介 」で解説しているので、ぜひあわせてお読みください。
2.ペルソナ設定をする
ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用してほしい「理想的なユーザー像」を具体的にイメージした架空の人物のことを指します。
たとえば、30代の共働き女性で、子育てと仕事を両立しながらSNSで情報収集する習慣がある、といった細かな人物像を設定します。
ペルソナを作成する理由は、誰に向けて情報を発信するのかを明確にすることで、投稿内容や表現方法がぶれにくくなり、ターゲットに響く情報を届けやすくなるからです。
実際の作成手順としては、
1.年齢/性別/職業/ライフスタイル/SNS利用状況などの整理
2.具体的なプロフィールの作成
上記の順でおこないます。
ペルソナ作成は、ターゲットに寄り添ったSNS戦略を実現するための重要なステップです。
3.SNSの選定
SNSを選ぶ際に最も重要なのは、ターゲットとなる顧客層との親和性です。
例えば、若年層向けの商品やサービスを提供している場合はInstagramやTikTok。ビジネス層をターゲットにするならFacebookやX(旧Twitter)が効果的です。
各SNSには異なるユーザー層が存在するため、自社の理想的な顧客がどのプラットフォームを利用しているかを把握しましょう。
次に考慮すべきは、自社が作成できるコンテンツの種類です。
SNSごとに求められるコンテンツ形式は異なります。Instagram・TikTokはビジュアルや動画が中心であり、X(旧Twitter)は短文のテキストが主体、YouTubeは長めの動画コンテンツが必要です。
自社のリソースや得意とするコンテンツ制作能力に合わせたSNSを選ぶことで、継続的な運用が可能になります。
SNSの選定は、ターゲット層の把握、自社が提供できるコンテンツの特性、運用目的の明確化、そして競合分析を総合的に判断して行うことが大切です。
最適なSNSを選ぶことで、効率的な運用と高い成果が期待できるでしょう。
4.運用計画を作成する
運用計画とは、SNSでどのような目的でどんな内容を、誰に向けて発信していくかを具体的にまとめた設計図のようなものです。
計画を立てる際、自社の目的や目標を明確にしてターゲットとなるユーザー像を設定しましょう。
そのうえで、どのSNSを使うかを選び、投稿するテーマやコンテンツの方向性、投稿頻度やスケジュールを決めます。
たとえば、「半年でフォロワー数を20%増やす」など具体的で達成可能な目標を設定、投稿内容やタイミングを決めていきます。
また、投稿後はユーザーの反応や成果を分析し、必要に応じて計画を見直すことで、より効果的な運用が可能です。
運用計画をしっかり作成することで、SNS運用の方向性がぶれず、継続的な成果につなげやすくなります。
計画的な運用は、担当者の負担軽減やチーム内での情報共有にも役立ち、SNSの力を最大限に発揮するための基盤となります。
5.コンテンツ作成と投稿
コンテンツ作成と投稿は、SNS運用の中核となる部分です。
SNS投稿は、オーディエンスと交流するのに最適な手段です。
SNS投稿でビジネスの最新情報に関する画像や動画を共有し、オンラインプレゼンスを高めてサイトのトラフィックを増やしましょう。
投稿を作成する際は、ウェルカムメッセージや2番目のメッセージなど、動画のコンセプトを明確にし、ユーザーの目を引くような工夫が必要です。
また、投稿後はパフォーマンスを分析し、次回の投稿に活かしましょう。
SNS運用でうまくいくコツ
SNS運用を成功させるためには、いくつかのコツがあります。
ここでは、SNS運用でうまくいくためのポイントを紹介しますので参考にしてください。
2.ユーザーファーストの情報を発信する
3.定期的な検証と改善でコンテンツの質をあげる
1.コンセプトに合う情報を発信する
SNS運用を成功させるためには、コンセプトを明確にしましょう。
コンセプトとは、発信する上で軸となる方向性を定めることであり、家を建てる際の設計図のようなものです。
コンセプトを決めるためには、まずリサーチを行い、「こういうアカウントになりたい」と思うモデルとなるアカウントを5つ以上ピックアップします。
次に、同じジャンルの人がどれくらい実際にいるのかを調べ、成果が出ている人の特徴を分析するのがおすすめです。
情報発信はユーザーの悩みを解決したり、ユーザーが抱えそうなポイントをおさえ、価値のある情報を発信しましょう。
2.ユーザーファーストの情報を発信する
SNSの本質はコミュニケーションにあるといえます。
企業として伝えたい情報を伝えるよりも、ユーザーが知りたい情報をわかりやすく伝えることが成功のポイントです。
発信は各SNSの特徴や文化を深く理解し、ユーザー目線での運用を心がけましょう。
投稿内容をプラットフォームに合わせて最適化し、ユーザーの行動パターンを分析することで、より効果的な発信が可能です。
また、ユーザーとの関係性・エンゲージメントを高めるのもポイントのひとつ。
コメントへの丁寧な返信やフォロワーとの積極的な交流を通じて、強固な関係性を構築し、企業や商品のファンになってくれるようなコミュニティを形成することができます。
3.定期的な検証と改善でコンテンツの質をあげる
SNS運用で成功するためには、定期的な検証と改善を繰り返しながらコンテンツの質を高めていくことが不可欠です。
単に投稿を続けるだけでなく、データを分析し、ユーザーの反応を見ながら改善していくプロセスが長期的な成果につながります。
継続的な改善が重要な理由は、SNSのアルゴリズムや利用者の好みが常に変化しているからです。
2025年現在、SNSプラットフォームでは単に投稿数を増やすだけでは多くの人にリーチすることが難しくなっています。
特に重要なのはエンゲージメント率であり、投稿に対するいいねやコメント、シェアなどの反応が多いほど、より多くのユーザーに表示される可能性が高まるでしょう。
そのため、どのような投稿が反応を得られているかを分析し、コンテンツを最適化していく必要があります。
SNS運用の成功は一朝一夕に実現するものではなく、最低でも半年から1年の継続的な取り組みが必要です。
定期的な検証と改善を習慣化し、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回し続けることで、徐々にコンテンツの質が向上し、フォロワーとの信頼関係も深まっていきます。
コンテンツの分析や改善については、以下の記事「SNS分析のやり方を4つのツールごとに徹底解説!重視すべき指標と改善方法も紹介」に詳しく解説しているので、併せてお読みください。
SNS運用初心者はプロに頼るのもアリ!
SNS運用は初心者でも始められますが、効果的な運用を行うためには専門的な知識やスキルが必要です。
その場合、プロに依頼する選択肢も検討しましょう。
SNS運用には、投稿内容のアイデア出し、分析、コメントの返信など、さまざまな作業が必要です。
とくに、炎上対策としては投稿内容のアイデア出しや確認作業を慎重に行う必要があります。
SNS初心者の場合は、SNSの特性や効果的な運用方法について学びながら、プロのサポートを受けることで、より効率的にSNS運用のスキルを身につけることができるでしょう。
SNS運用は継続が重要であり、思うように運用できないままでは、効果が現れるまでの時間も長引いてしまいます。
自社のリソースや目標に合わせて、自社運用とプロへの依頼を適切に組み合わせることが、効果的なSNS運用の鍵となるでしょう。